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クレーム対応プロセス:リレーション構築、フォーカシング、ソリューション

クレーム対応プロセスの第一歩は「クレームを下さったお客様の感情的になっている部分をほぐしていく」ことでした。

お客様に共感していき、次に具体的な問題解決に進めていきます。

今回は、クレーム対応の具体的なプロセスを3段階に分けて説明したいと思います。
 (1)リレーション構築
 (2)フォーカシング
 (3)ソリューション

各プロセスで行うべきクレーム対応の内容も、目標も大きく異なります。

(1)リレーション構築
リレーション構築プロセスは、お客様とスタッフのファーストコンタクトを行う段階で、最も重要な段階であるといえるでしょう。人間は視覚からの情報によって多くの判断をしています。「外見が大切」というように、スタッフの第一印象がお客様のクレーム行動にも大きく影響します。

スタッフは「お客様のために誠心誠意がんばります」というような誠実さや親身さ、清潔感、礼儀正しさを備えている必要があります。いわば、「マナー」が重要なのです。

お客様はほとんどといってもいいほど、最初の段階では怒っています。感情的で、よく事情を知らないスタッフにとっては、理不尽な人間だと感じられるでしょう。でも、そのようなお客様に対して、マナー正しく対応することが必要となる能力です。スタッフの表情や、振る舞い、声、言葉遣いなど、隅々まで念を入れてトレーニングする必要があります。クレーム対応の問題解決が順調に進行していくか、こじれて大きな問題になるかはリレーション構築プロセスでのスタッフの能力にかかっているのです。

(2)フォーカシング
フォーカシング(focusing)プロセスでは「クレームのより具体的な問題点に集中させていく」ことが目的です。お客様が抱えているクレーム状態を注意深く理解していくことが重要です。そのためにはお客様の話をよく伺い、共感していくことが望ましいです。クレーム対応プロセス(1)で説明した内容はこのプロセスにあたります。

この段階ではお客様は感情的な状態にあります。スタッフは誠心誠意、お客様のお話を伺います。適度に相槌を打ちながら、お客様の抱えているクレーム状態を理解しようと心がけましょう。

フォーカシングプロセスでは、お客様のお話を理解する・お話を伺うというリスニング能力、相手に共感する能力が重要になります。また、スタッフがお客様に共感しているということをちゃんと伝えることも必要でしょう。

(3)ソリューション
最後に、ソリューションプロセスではクレームの具体的解決を図るため、お客様と意見をすり合わせ、説得していくことが目的です。フォーカシングプロセスでお客様のクレーム状況を理解していますので、その段階から、お店・企業として対応可能な案を理解してもらえるよう、お客様を説得していきます。

お客様の立場に立ち、「このような方向ではいかがでしょうか?」というように、お客様がお持ちの「何とかしてほしい」というニーズに対応した、迅速な問題解決が必要です。解決策は一つではなく、お客様にある程度主導権を譲っているというニュアンスを伝えるためにも「複数選択肢」を用意していくといいでしょう。

ソリューションプロセスでは、スタッフはお客様の立場を理解・共感して、お客様のために問題を解決していこうと誠心誠意対応しているというポーズを着実に伝える表現力が大切です。