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クレーム対応のベストプラクティス

クレームはお客様の貴重な声であり、商品サービスの改善に有益です。しかし、単にクレーム内容を聴取して、その報告書を作り、改善していくということで片付けてはいけません。クレームを受け付けたスタッフは大切な接客の現場に立っていると感じ、お客様が勇気を持って起こしてくれたアクションに対して責任感を持って対応しなければいけません。

クレーム対応の場面で、お客様に高い顧客満足を提供できた接客スタッフを表彰していく評価制度を整えておく必要もあるでしょう。一般的に、スタッフの評価制度は短期的な視野で整えられます。お客様の満足度が0(ゼロ)の状態を初期値として、接客サービスを提供することによって、どれだけプラスの方向に持っていけるのか、という視点で評価しているということです。

しかし、クレーム対応でお客様に顧客満足を提供するという場合には、お客様の満足度はマイナスの状態が初期値になります。マイナスからの出発です。しかし、接客スタッフの誠実なクレーム対応によって、それを0(ゼロ)もしくはプラス1にでも持っていくことができたなら、それは大きな顧客満足を提供した、優秀な接客スタッフであるということができるでしょう。

例えば、満足度0(ゼロ)のお客様が来店し、接客スタッフからサービスを受け、満足度プラス2になれば、その接客スタッフは2単位の顧客満足を提供したことになります。一方、お客様が不満や苦情を持って来店され、クレームを寄せてくださいました。お客様の顧客満足度はマイナス2です。接客スタッフは誠心誠意、クレーム対応し、その努力を認めてくれたお客様は満足度1になったとします。クレーム対応した接客スタッフは3単位の顧客満足を提供したのです。

この2つのケースでは、明らかにクレーム対応の接客スタッフはよい業績を上げたと考えることができます。

このような単純なお客様の満足度が把握できれば、スタッフ評価にも反映させることが出来るでしょう。しかし実際にはそのような満足度の評価はできないため、マネージャは苦労することになります。

そのために、クレームを統括するマネージャはできる限りクレームを直接受け付けたスタッフからの報告を受け、クレームの対応が完了した時点でお客様にフォローを入れ、お客様の満足度を収集するという方法があります。

クレームを単に一時的なお客様のコミュニケーションとして考えるのではなく、十分に管理し、スタッフ全員で対応できるような体制作りが必要であるということです。