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クレーム電話への対応

ここでは電話でのクレーム対応について説明します。

最初にクレーム電話の基本を確認しましょう。クレーム電話の基本は以下の5つです。

(1)謝りましょう
(2)よく聞きましょう
(3)簡単に非を認めない
(4)最後に感謝の言葉
(5)たらい回し厳禁


以下、各項目について説明します。

(1)謝ること
最初は、「謝ること」です。ここでいう謝るとうことは「責任は私どもにあります」という責任論での謝罪ではありません。道徳的・道義的な意味での謝るということなのです。いわば、「お客様の気分を害したことを不本意に思います」ということなのです。

企業の対応や商品サービスに不満を感じているお客様の気分を鎮めるために、とりあえず「ご迷惑をおかけしてすみません」という誠心誠意のメッセージを送ることが何より大切なのです。

「ご迷惑をおかけいたしまして、大変申しわけありませんでした」

これ以上の表現をすると、企業側の責任問題になる可能性があるため、踏み込むような表現は避けましょう。クレームに関して、合理的な責任の所在が確認されるまでは、責任問題となるようなかたちで、「謝罪」はしてはいけません。

ただし、お客様も人間です。企業の商品サービス、対応に気分を害されて、気が高ぶっているのですから、ひとまずはお客様の気分を和らげ、理性的になってもらうため、お詫びをしましょう。


(2)よく聞きましょう
次に大切なことはお客様のクレームをよく聞くことです。「どんなことに気分を害されているのか」を知らなければ、スタッフも何をしたらよいのかわかりません。ただ一心に聞きましょう。

「どのような問題なのか、ご説明いただけないでしょうか」

その際には、適度な間隔で相槌を打つことも大切です。相槌は話している人の話の内容を肯定していく大切な表現です。そして、お客様が発言しているうちは話をさえぎってはいけません。

「おっしゃるとおりでございます」
「ごもっともです」


そして、お客様からお聞きしたクレームは必ずメモして、スタッフ内でクレームを共有していくために大切な情報を作成していきます。

(3)簡単に非を認めない
すでに「謝る」ところで説明しましたが、クレーム電話で重要なことは簡単に企業の非を認めてはいけないということです。必ず、ちゃんとした調査が必要ですから、スタッフが電話口で言えることは

「早速、お調べいします。しばらくお時間をいただきたいと思います」

です。企業がちゃんとクレーム内容を調査し、クレームに適切に対応できる時間をいただきましょう。

そして、企業側のミスが確認されたとき、はじめて誠心誠意、謝罪します。ここでは「お詫び」の意味ではなく、平身低頭、企業側の不行き届きを謝罪し、責任をとることを表明します。

「大変申しわけございませんでした」


(4)最後には必ず感謝する
最後に、お客様を今後も末永く関係を続けていただけるように、クレーム内容の質や正誤は問わず、電話の最後には感謝の言葉を述べます。お客様によい気分になっていただくことが大切です。ただでさえ、お客様は商品サービスに不満を持ち、さらに苦情をいうために気分を害しています。二重の不満を持っているのです。そんなお客様の気分を察し、丁寧な感謝の言葉を送りましょう。

「貴重なご意見をいただき、ありがとうございました」
「今後、このようなことがないよう徹底して参ります」


(5)たらい回し厳禁
そして、クレームの電話対応でしてはならないことは「たらいまわし」です。

クレーム対応の担当者へ取り次ぐにしても、普段よりも迅速にするよう心がけないといけません。

お客様を担当者へ取り次ぐ際には、できれば担当者へいくまでにお客様の怒りを幾分弱めておいた方がいいでしょう。担当者へはクレーム内容を伝達し、お客様が二度クレーム内容を説明しなくてもいいように心がけましょう。