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予約が原因となるクレーム
飲食業、ホテル旅館業など、「予約」受付をしている現場では予約にまつわるクレームが起きやすいです。
予約受け付け業務に関連して、クレームが起きないような手続きを定めるとともに、クレームが寄せられた際のクレームサービスについて、あらかじめ、やり取りを想定して訓練しておきましょう。
キャンセルの受付
お客様からキャンセルがあった場合、基本的に「何日前ならキャンセル料は取らない」など、基準を決めておきましょう。人数が減る場合など、予約の修正ではキャンセル料はとらないのが普通です。
ただし、高価な食材などを買い付けてしまい、お店に損が生じる場合、キャンセル、来客数の減少などでもキャンセル料をもらう理由になります。
法律では、予約は以下のようなやり取りがしっかりされていれば、「予約契約」が成立すると考えられます。
(1)お店・スタッフが以下の予約内容について、お客様に確認する。
金額
来店するお客様数
来店する日時
お客様の住所
電話番号
(2)「ご予約の内容をきちんと確保しておきます」とお客様に伝える
このように、予約契約が成立しているならば、キャンセルや来客数が減った場合にもキャンセル料を請求できます。
予約に関するクレームサービス
「お客様が予約したというのに、予約を受け付けた記録がない」
「予約の内容とお客様が思っていた内容が食い違う」
このような予約に関するクレームを受けた際にどのようなクレームサービスを提供したらいいでしょうか?
そもそも、お客様が「予約した」と信じていた内容や、そもそも「予約した」ということが記録として残っているかどうかを、しっかりと検証する必要があります。
第1段階としては、予約台帳(予約記録などを記したデータベースやノートなど)を確認します。お客様の主張するような内容が記録されているならば、お客様が正しいことになります。もしお客様の主張される内容が記録されていない場合、第2段階に進みます。
第2段階は、予約を受け付けた担当者に問いただします。お客様に、予約を受け付けたスタッフの名前を伺い、担当者に確認します。休暇をとっているならば、電話で確認しましょう。担当者に確認しても、お客様の主張が正しいと証明できなかった場合、「お客様の勘違い」である可能性が高いです。
「勘違いではないですか?」というのは失礼
しかし、お客様に「勘違いではないですか?」というのは失礼ですから、ぜったいに言ってはいけません。
あくまでも丁寧にお客様に対応しましょう。
「私どもでは、このように承っております。申し訳ございませんが、本日はお受けしておりません」
このように、丁寧な表現で「予約は受け付けていない」「記録がない」と伝え、その時には予約台帳などを見せながら説明すると、お客様も納得しやすいでしょう。
しかし、このままお客様を返してしまうのは、「とても失礼」です。お客様の主張する内容に近い形でサービスを提供しましょう。予約時間に近い時間で席が空くのであれば、融通するようにします。
近隣の類似他店をも紹介
また、近隣の類似店があるならば、そのお店を紹介したり、電話をして席や料理の手配をするのもいいでしょう。
もしお客様が「どうしてもこの店がいい」とおっしゃる場合には、融通して、できるかぎり早く席を用意しましょう。予約のトラブルがあるのにもかかわらず、お店を利用したいというお客様なのですから、感謝するべきです。
反対に、スタッフや店側にミスがあった場合には、お客様にちゃんと、ミスの原因を伝え、しっかりと謝罪します。謝罪の後に、お客様がした予約の内容に近い形でサービスを提供するように努力しましょう。席が開いていないならば、席が開く時間を推測して、それまでお客様にお待ちいただきましょう。待ち時間が長くなる場合には、その旨を伝え、お客様が時間を潰してもらうようにします。
お客様が立腹されているならば、謝罪のみではなく、ドリンクや料理などをサービスする、もしくは、今回の代金を受け取らない、クーポンや割引券を渡すなど、お客様の気分を緩和するように心がけましょう。